月に帰ってしまったウサギのマロくん

膀胱結石手術の翌日に天国にいったウサギちゃんの話です。

2011年1月29日に我が家のかわいい男の子ウサギのマロくんが、天国に旅立ちました。
これは我が家が実際に経験した悲しい実話です。
動物病院にかかった費用など全て事実を掲載しています。
あまりに納得の行かない、そして忘れられない悲しい出来事ですが、うさぎを飼育している方への情報提供の意味もこめてここに公表する事にしました。

マロは2009年2月11日に我が家にやってきました。
出会いは神戸ハーバーランドにあるホームセンターコーナンのペットショップです。
マロ君が家族になる一週間前に私と娘が偶然その可愛いうさぎを見つけたのです。
その時は連れて帰る気持ちはなかったのですが、とても珍しい毛色で、不安そうな表情でこちらを見ていたのがとても印象的な子だったのです。
当時はこのホームページで紹介しているダンケ、ボンちゃん、ノイ、ビッテ、エルが全て天国に旅立っていましたので家にはネオだけが残っている状態でした。
ネオは女の子なので縁があれば一緒に遊べる、やはり女の子のウサギさんを受け入れる気持ちがあるのは事実でした。
私と娘は家に帰ってからその子の話しを家内に話したのを覚えています。

翌週家族でもう一度コーナンのペットショップに出かけました。
その子は男の子か女の子か分からなかったので女の子だったら我が家の家族にしようとこの一週間の間に話しが進んでいたのです。
ペットショップに着いて店員さんに聞くと「この子は男の子です」との返答。
更に「この子はここに来てから6ヶ月もらい手がないんですよ」との事。
私達は縁が無かったね・・と諦めて帰るつもりだったのです。
ちょっと残念だったのですが、ペットショップから離れて行きました。
ところがしばらく歩いていると一緒に来ていた娘が泣き出したのです。
だだをこねる様な感じではなくとても心に響く涙でした。
ダメなものはダメと一切取り合わない教育方針でしたが、何故か娘の涙に縁を感じてこの子を連れて帰る事になったのです。

連れて帰ったこの可愛い男の子ウサギはマロと言う名前になりました。
ペットショップにいる間に嫌な事でもあったのか性格的なものなのか、とても臆病な子で頭を撫でても嫌がって体を小さくしてしまう様な子です。
でもそう言うしぐさも全部が可愛い! 我が家で出来るだけ幸せに長生きしてほしいと願う毎日でした。
その後特に病気や怪我をする事なく、マロは我が家の家族として心を癒してくれる存在となりました。
2010年の8月にネザーランドのアモちゃんとレッキスのコトちゃんが家族になりマロはハーレム状態の中でとても幸せな暮らしを送っていたのです。
只、男の子なので女の子達と一緒に遊ばせる事は殆ど出来ませんでしたが.....

病が襲って来ました。

2011年の1月20頃にマロの食欲が落ちて来た事に気が付きます。
寒い季節には食欲が落ちる事が良く有り、又、毛玉症かも知れないので様子を見る事にします。
病気の時の特効薬であるカブの葉っぱは少しは食べるのですがやはり食欲が戻りません。
経験上うさぎ達は病気に気が付いてから病院に行っても効果のある治療法がない事が多かったので今回も取りあえずは様子を見ていたのですが、どうも食欲が戻らない。
尿の出も悪いようなので、このホームページにも記載していますが膀胱結石の可能性も考えました。
何度もお世話になっている神戸市のM動物病院で診てもらう事にしました。

病院で症状を伝えて触診、お腹を押さえると痛いようです。
レントゲンを撮ってみるとどうやら結石が出来ているようです。
その日はカテーテルを使い溜まった尿を出してもらいました。
先生曰く手術したほうが良いとの事です。
家内が話しを聞いたのですが手術したほうが良いとの事でしたし、命に関わる手術でもないような印象だったので木曜日に手術の予約を入れてしまいました。
只、体力的な事もあるそうなので木曜日に手術するかどうかを決めるとの事です。
帰宅した日は尿が出た事もあり普通に食事を摂り始めました。
元気そうなマロの様子から私達は、これは木曜日に行ったら手術なしで温存治療で行けるって言ってくれるかも知れないなと考えていました。

手術決行

木曜日になり病院に連れて行きました。
やはり食欲はパーフェクトには戻ってはいませんが、手術無しの期待もありました。
しかし病院の判断は手術です。
マロが元気になるのならこの選択がベストだろうと考え、お願いする事になります。
手術後は一泊するか、又は日帰りになるか分からないですが取りあえず夕方6時に来て下さいとの事、マロ頑張れ!無事に手術が終わる事を願い、病院にマロを預けました。

自宅に帰る前に買い物に寄ったのですがその帰りに携帯電話がなります。
病院からでした。
マロが女の子達から隔離して暮らしているのを話していたので、一緒に去勢はどうですかとの内容でした。
マロは今のままの生活で十分幸せだからお断りしました。
その後二人で顔を見合わせて、そんな何ケ所も切る様な事して大丈夫か?と首をかしげたのを覚えています。
それほど結石の手術は簡単な物なのだろうか。。そんな考えもよぎりました。

病院からの連絡

夕方6時頃に来て下さいとの事でしたので自宅で待機していると5時過ぎに病院から電話が掛かって来ました。
手術が長引いているのでこちらから連絡を入れるまで待機していて下さいとの事。
胸の中に黒い霧が立ち篭めたような気持ちになりました。
去勢も一緒に出来る程度の事じゃないのか?複雑な気持ちで連絡を待つ事になります。

日も沈んだ7時過ぎに病院から連絡があります。
電話で聞いた感じでは、石が取れにくかった、麻酔をかけている時間が長かったので状態が悪いとの事。
とにかく家族で病院へ出かけます。
家内と娘がマロと対面、詳しい様子を病院に聞いたところ「石が動かなく何度も石が取れませんと電話しようと思った」との内容。
最終的には石は取れたが、尿道を傷つけたかもしれないので処置をしたとの事でした。
マロのお腹からはゴムのパイプが出ています。
その時、家内と娘の声を聞いて、それでもマロは立ち上がろうとしたそうです。
この日は病院で様子を見る事になりました。
娘は絶対大丈夫と思っている様でした。

帰宅そして..

翌日、朝9時頃にマロを迎えに行きました。お腹から出ているパイプが痛々しい姿は、尿道を傷つけたかも知れないので尿が外に漏れないようにした結果だとの事でした。
回復次第でその後の事は考えていく事になります。
この時もまだ私達はマロが回復する物だと信じていたのです。
連れて帰ってきた時の状態ですが手術後と言う事もあり、そうとうぐったりした様子でした。
病院に何時間か毎に連絡を入れるように言われていましたのでそうしました。
マロは移動用のかごに入ったままでしたので何度目かの連絡時にこのままの方が良いのか聞いたところ、昨夜もケージ内を少し動いていたようなのでケージの方に移動させてあげたほうが良いかも知れないとの返事。
私は手術後は絶対安静が必要だと思ったのですが、その時はそうなのかな?と思いながらも慎重にマロをケージへ移動させました。
マロは夕方になっても相変わらずぐったりとした感じです。
私がこの時間帯に1時間程外出したのですがこの間にとても苦しそうな声を出していたそうです。(うさぎは声帯がありませんが食道などを使って声を出します)
夜になります。
時間は忘れましたが私が帰宅後に一度、とても苦しいそうな声を出しました。本当に本当に苦しそうな声でした。パイプからは血の混じった尿のような物が出ています。
そして夜11時前にきゅんきゅんといった声を出しているのに気が付きます。
私は何羽も看取って来た経験上、もうだめだな。。と心で感じました。
その後家族の見守る中マロは体を一度大きく伸ばして天国へと旅立ったのです。
家族みんなで泣きました。マロに詫びました。とても良い病院だからマロ大丈夫だよ、って何度も声をかけていたのに.....
悔いても悔いても悔やみ切れない思いが体中を駆け巡りました。
どうして..どうして..
あんなに元気だったマロが..

25日に初めて病院に行ってからわずか4日....
手術なしなら今も生きていたはず....
手術前に医者から掛かって来た「去勢はどうします?」の言葉が頭から離れない。
何故とれないほど癒着している石を無理矢理剥がしてしまったのだろうか、手術後の体を動かしても良いとのアドバイスは適切だったのか..
考えれば考える程、この病院に対する不信感が増して行きました。
マロが天国へ旅立った翌々日に病院から電話がありました。
手を尽くしたんですが... その時家内は「良くやって頂いたと思います」と言った返答をしていたようですが、内心、マロを返して!返して下さい!と言いたかったのです。

このページは私達のぶつける場所の無い感情の捌け口の為に書いたのではありません。
マロを手術したほうが良いと聞いてから費用の事などもありましたのでインターネットでそれらの情報を探そうと試みましたが、とても情報が少なかったのです。
今後こういった事に対面した方へのアドバイスの意味も込めて書いています。
命を奪われたマロの為に支払った治療費をここで全て公開しておきます。
実際に病院から出された明細です。
私達は手術ミス、判断ミスでマロの命を奪われたと思っています。

日付

内容 単価(円) 数量 金額 (円) 備考
1/25 診察料 1050 1 1050 初診料
レントゲン検査診断料 3675 1 3675  
レントゲンフィルム 525 2 1050 2枚撮影のため
尿道カテーテル挿入 1575 1 1575  
皮下点滴 200ml未満 1575 1 1575 脱水症状の点滴
1/25 金額計     8925  
         
1/26 診察料 840 1 840 再診
カテーテル挿入 1575 1 1575 導尿のため
皮下点滴 200ml未満 1575 1 1575 前日と同じ
側管注射 525 1 525 食欲不振のため腸を動かす薬
シロップ 15ml 1575 1 1575 食欲不振の為の処方
1/26 金額計     6090  
         
1/27 診察料 840 1 840 再診
血液生化学スクリーニング検査 7875 1 7875  
皮下点滴 200ml未満 1575 1 1575  
レントゲン検査診断料 3675 1 3675  
レントゲンフィルム 525 1 525  
ウサギ麻酔 5250 1 5250  
延長麻酔 6300 1 6300 手術時間延長のため
バイトリル 注射 1575 1 1575  
膀胱切開術 42000 1 42000  
バルーンカテーテル挿入(留置) 2940 1 2940  
アトム栄養カテーテル3〜6Fr 315 3 945  
犬用尿道カテーテル 630 2 1260  
トムキャットカテーテル 525 1 525  
バルーンカテーテル 525 1 525  
縫合糸 PDS 1249 1 1249  
結石分析 4410 1 4410 結石摘出後成分検査のため
酸素吸入/hr 525 6 3150  
SPOモニター 735 1 735  
室料 1日 3150 1 3150 ケージ使用料
入院・看護管理料/日 787 1 787  
集中管理/hr (ICU) 1050 1 1050  
1/28 入院診療費/日 840 1 840  
室料 1日 3150 1 3150  
入院・看護管理料/日 787 1 787  
酸素吸入/hr 525 8 4200  
集中管理/hr (ICU) 1050 3 3150  
クリティカルケア30g 473 1 473 ペースト状にして与えるフード
テルモシリンジ 158 1 158 クリティカルケアを与える時に使用。注射器の先を切ったもの
皮下点滴 200ml未満 1575 1 1575  
バイトリル 注射薬 1575 1 1575  
1/27〜28 手術入院費計     106249  
         
      121264  

マロに苦しみを与える手術ミスとも思える行為をした上に多額の治療費を請求されたのです。
マロが死んでしまった以上、こんな物が治療と呼べるのか疑問ですが掛かった費用は全部で121,264円です。
今回の治療費に関して私が感じた事は、世の中にはとんでもない商売が存在したものだと言う事です。
マロの命がお金で延ばせるのなら...そう思って出したお金なのです。

必ず成功する保証がなかったのは当然承知です、でもあなた始めは、去勢も一緒にやろうとしたじゃないですか!!

あれから夜中に何度も目がさめます。
苦しんでいたマロの泣き声が頭から離れないのです。

マロ、本当にごめんね。
パパとママ、家族全員、まさかこんな事になるなんて夢にも思ってなかったんだよ。
何とか生きようとして頑張った時間の全てがマロの苦しみになってしまったね。
マロ、いつか天国で一緒に暮らそうね、一緒に遊ぼうね。
大好きなマロ...沢山の想い出をありがとう。

マロが元気だった頃の写真を掲載しておきます。
偶然でもこのページを見た方がいたらマロに可愛いね!って声をかけてあげて下さい。
心からお願いします。

まだまだ小さい頃です。ママにだっこされてます。
モデルのような写真もありますよ。
こちらは2010年のマロちゃん。

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